神奈川県の辻堂・茅ヶ崎市の整体院

コロナ禍の中で

「整体法」で読む「新型コロナ」 第4回「呼吸器系の状態を読む」(2)

2020.05.22 | コロナ禍の中で

 腕・手指と肺の関係

 腕・手指末端に力が入ると呼吸器や首に負担が来る

上肢(腕、手、指)は、肩を介して胸部と密接に繋がっています。このため、上肢に力を入れ過ぎた使い方をしていると、体の中心部が外に逃げ、肩や肩甲骨が外に広がりだし、その流れが前胸部に来て、肺や心臓を圧迫してきます。体の仕組みを体で理解している方は、末端である手指の力が緩んでおり、体の中心部に力が集まっています。

逆に、気持ちが一生懸命になればなるほど常に末端に力を入れた動作が当たり前になっている人は、上体に力が入り過ぎていて、結果として呼吸器系に負担をかけています。さらに、首、手首、足首、腰首といった「首首の関係」箇所が軒並みトラブルを起こしてしまいがちです。こういったことは、体の仕組みを理解し、それに即した体の使い方を意識した訓練が必要となります。
湘南整体では、操法を通し、併せてそうした指導や訓練の大切さをお伝えしています。

 首の悪化も呼吸器から

以前、頚椎症と言われていた方がいらっしゃいました。とても元気で快活なのですが、操法室に入ってきた姿を見て、「これは頸椎もそうだし、手首、足首、腰首も悪いな」と感じました。この方は下頸の箇所が大きく塊のようになって飛び出していました。これだけで「この人は元気だけども、いつも末端の腕・手指に力を入れてしまう癖があるようだな」と感じました。
肩甲骨が外に逃げ、肩が前に入っており、手の甲は常に間を向いている状態です。これでは首が頭を支えることがきつくなり、頸椎への負担、炎症が出てきたのも当然です。結果として頸椎への負担が強くなっていったのでしょう。手首も腱鞘炎があり、腰痛も慢性化しているようでした。

 体の仕組みを理解した訓練の必要性

先程取り上げた鬱気味の女性に指導した「複合体操」もトライしてもらったのですが、腰が下がっており、このため特に足首が反り過ぎてしまうため、途中で断念してしまいました。
足首は女性にとってとても大事なところでもあり、また男女問わず心臓にもとても関係している所です。元々活動的な方なのですが、動作の主体が体の中心からではなく、上肢の末端に力を入れ過ぎているためと読みました。

体の使い方や体操も指導しながら、少しずつ良くなってきていたのですが、遠方に移られてしまったため、その後どうしているかがとても気になっています。

 -体の使い方を誤ると心臓や頭のトラブルに繋がる―

こうして見ていくと、心配なのは頭と心臓です。どちらも命に関わるもの。この方の体に生じている力関係は、頸椎を圧迫しているのはもちろんですが、胸部への圧迫が強まると心臓への圧迫が加速し、血管系のトラブルとしては狭心症や心筋梗塞、心臓そのものの機能としては不整脈を誘発することも出てきます。
中でも心房細動といった不整脈は、心房内に大きな血栓を生み出してしまう恐れがあり、この血栓が心臓から飛び出すと、一気に頸動脈を通って頭部に入り込み、巨大な梗塞を引き起こし脳血管を詰まらせてしまいます。

心臓のトラブルから脳梗塞へと繋がるケースは、これまでも随分見てきました。これについては、いずれまた機会をあらためてお伝えしたいと思います。

 -本当の健康は症状が何を伝えているのか真摯に耳を傾けること―

さて、いずれの場合も体の仕組みをしっかりと学んで理解し、それに応じた体の使い方や体操、心の持ち方を日々の生活の中で実践していくことこそが何よりも大事になってきます。
ただ今ある症状が無くなれば済むのではなく、むしろその症状が何を教えてくれているのか真摯に向き合い、整体指導を通して本当の健康を取り戻して欲しいですね。

 

 第4回「呼吸器系の状態を読む」(3)に続く

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