アトピー(皮膚のトラブル)と腎臓の関係、さらにそれが脚のトラブルにまで繋がってきた今回の例で、膝痛が現れたことをご理解できたでしょうか。
頭の疲労から始まった体の力学的な流れ
ところで、こちらの女性を診た時、上頸(頸椎2番とその周囲)の詰まり具合から目の問題(目の疲れ)を察知しましたが、実はこれも腎臓との関連があります。腎臓の疲労が現れると目も疲れるようです。整体では、腎臓の濾過作業による毒素が目や視力に繋がるとされています。
また、目の疲れは頭の緊張・疲労とも直結していますが、何らかのストレスから「頭の疲労 → 目の疲労 → 腎臓のくたびれ → 腰の下がり」という流れができ、これが結果として脚のトラブル(膝痛)に繋がったことが読めてくるのです。
膝痛と生理、視力の問題との関係性
さらに、この方は婦人科系の負担(生理が長期間止まっている)があることも確認してましたが、これもこのケースの紐解きにあたっての大きなキーポイントです。
汗が出にくい体からアトピー性皮膚炎を発症し、体温調整としての水分処理の負担が腎臓の負荷をかけたのですが、水分を含む毒素の排泄がオーバーフロー気味になると、さらにその排泄を別の器官に回さなければなりません。
女性の場合、子供を産める期間に不要となった卵子の排泄するための月経(生理)がありますが、腎臓で排泄しきれない毒素の処理をこの生理の流れで行っている可能性があります。
このことは、これまで多くのアトピー性皮膚炎を訴える女性を診てきてわかったのですが、多くの方がこの生理(婦人科系)の問題を抱えており、この例のように数か月も生理が来てなかったり、子宮筋腫を作ってしまっている方もいました。
また、こうした問題を抱えている方が総じて視力が落ち、中には弱視化してしまった方もいました。
始まりはストレス
腎臓の負担から、その排泄のつけが婦人科系に回ってきてしまい、月経作業に負荷がかかったことで、生理の周期が乱れたり、筋腫まで作ってしまったと考えられるのです。
発端であるストレスからくる頭の緊張が、目の疲れ、呼吸器の負担に繋がり、それが皮膚の閉じ開きの作用に及んだことから汗が出にくくなる。
そして、その汗の代わりを腎臓が受けて処理することで腎臓そのものにも負担がかかり、腎臓の下垂現象が現れ、その結果として落ちてきた上体を腰が支えきれずに下がってしまい、さらにその負荷が脚に及んで、膝痛を引き起こしたのです。
また、さらには腎臓の毒素処理が婦人科系にも影響を与えてしまったとみられるのです。
今回の女性の例は、体を人体力学的に紐解けたからこそ、わかったケースでした。
さて、この女性はその後どうなったでしょう?