コロナ禍での体や心の問題は、まだまだお伝えしたいこともありますが、一度ここでブレイクして、タイムリーなことから整体法の見方を綴ってみようと思います。
今回は、「暑さ」を取り上げます。既に残暑の時期に入りましたが、まだまだ今年は暑さが続きます。熱中症だけにこだわらず、この時期の問題を取り上げてみます。
暑さが体を硬直させる
今年は梅雨が長引き、8月に入って一気に暑い夏となりました。
コロナの感染が蔓延する中で、いわゆる熱中症にも悩まされています。
ただ、暑さの問題は熱中症ばかりではありません。極端な暑さが続くことで、様々な体の問題が生じてきます。今回のシリーズでは、そうした観点から眺めてみることにします。
暑さが長引いたり、またその暑さが体温前後かそれ以上になると、自分自身の生命を守るために体が硬直してきます。ここが暑さの問題を整体的に観ていく際の基本となるのです。
適温と入浴時間が健康の基本
例えば、適温のお湯に浸かり、体が緩んだなというタイミングで上がれば、とても心地よく、心まで緩んできます。ところが少しでも湯温が高く、また長く浸かってしまうと、イライラしてきて、俗にいう自律神経が交感神経優位の状態となり、その暑さから身を守るために硬直してきます。こうした意味からも、その時の自分自身の適した湯温、入浴時間が感じ取れれば、入浴は最高の健康法になります。
さて、みなさんはエアコンを上手に利用していますか?
エアコンは夏の健康に欠かせない
私が大船で開業した20年ほど前、薬局を営むご家族がこぞって通われていました。その年も暑い夏が続いていましたが、そこの40代の奥さんがいつも通り来られ、さっそくお体を診ていきました。肩に手を置いた瞬間、「あれ?いつもよりも体が硬くなっている」とすぐに異変を感じ取りました。
真夏でもあり、これは暑さが原因なのでは?と感じ、「エアコン、使っていますか?」と尋ねると、
「もちろんですよ。これだけ暑いんですから、もう朝から晩までつけっぱなしですよ。」
とのこと。
そうか、ちゃんと使っているのに、何でだろう・・
うん?朝から晩まで?
ということは・・
「寝るときはどうしてます?」
「タイマーかけてます」
この頃は、まだそうした使い方をしている方がほとんどでしたが、寝ている時に暑さと闘っていたわけです。
「睡眠の時こそ、快適な状態で休まないと、どこで体を緩めるんですか?今日から24時間つけっぱなしにしてみてください。」
後日、再び来室され、肩にまた手を置いた瞬間、
「あれ?(変わった!)」
「先生、今日はどうですか?あれから我が家では1日中、朝から朝までエアコンはつけっぱなしにしていますよ。」
とのこと。
「やっぱり、夜中に暑さと格闘していたんだ。エアコンを終日つけておくことで、これほど変わるとはなあ」と今でも夏になると、思い起こすケースでした。
ここ数年は、エアコンを終日利用することが当たり前になってきましたが、既にこの頃からエアコンを上手く使わないと、体は硬直を起こしてくることを知った開業間もない頃のことでした。