心が緊張すると、みなさんはどのような体の反応をしていますか?
たとえば苦手な人が来たり、不安や怖さを感じた時など。
自動車を運転している時など、急に人が飛び出してきたりするとビックリしてしまいますね。
まずは肩周囲が大きく緊張していると思います。
と同時に、腕の末端である指が強張り、拳をギュッと握ったり、何かを鷲掴みするような力が入ってきます。
この力がフィードバックして、さらに肩に力が入り、両肩とも上にグっと上げていますね。
さらに肩は前側にも入ってきて、体の前面を大きく萎縮させてきます。このために胸を圧迫し、さらにミゾオチの筋肉を固くしてきます。
肩が上がり、前に入ってしまうと、背中の方では肩甲骨が外に引っ張られてしまい、肋骨も外へ逃げていき硬直してしまう。当然、背中を丸める姿勢を作ってしまいます。
まあ、余程の緊張がないと、ここまでの大きな体の表現は示さないと思いますが、要はこうした力の流れが一瞬で起こるわけですね。
緊張の度合いが強かったり、それが毎日のように続けば、その緊張は簡単には取れなくなるばかりか、その状態で固定化してしまうことが問題です。
こうした状態が長く続けば、首や肩、胸に大きな緊張を作ってしまい、脳の血行のトラブルや心臓への負担も増大してきてしまう。
そもそも、緊張することの意味は「身体が自分自身を守ろうとする働き」と言えます。肩を上げて首を射すくめるのは、大事な頭を守ろうとする現れでしょう。
また、背中を丸めて前側をガードするのも、大事な心臓や肺、お腹の臓器を守るためだと思います。
こうした自己防衛が働くのは体を守るための自然な働きではありますが、普段はこうした力は使わないようにしたいですね。
そうは言っても、かかってしまった力をそのままにしておくのは不味い。かかってしまった力を分散するためには、そのための体の知恵と技術が求められます。現代社会を元気に生きていくには、そうした体の知恵と技術は必須のことになってくるはずです。
(続く)